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株式会社こがわ
エキスパート・ローダー
プレート装填作業を効率化
プリテックステージニュース 2021年4月15日掲載
女性1人で1200版をセット
㈱こがわ(青森県青森市)は昨年5月、アグフアの『Expert Loader(エキスパート・ローダー)』を導入し、プレート装填作業を劇的に改善した。
同社は東北地区唯一の総合型印刷通販サイト「こがわオンライン」を運営する印刷会社。オンラインではチラシ、ポスター、名刺・カード・ハガキ、カラー折りパンフ・冊子、加工込み商品を受注。このほかオンライン入稿以外にも見積もり・フォーム申し込みでは卓上POPや各種カレンダー、包装紙、ポケットフォルダー、パッケージ印刷も受注している。
工場はJapan Color認証を取得しており、品質管理体制を整備。ほぼ全ての製品で、アグフアのXMスクリーニングSublima(スブリマ)を活用した〝240線〟の高精細印刷を利用している。また、巨大立体倉庫を備え、多種多様な用紙を在庫。製本・加工までのワンストップサービスで当日発送(午前10時入稿まで)の短納期にも応える。
印刷通販会社の特性上、小ロット・多品種商品の需要が中心で、おのずと消費するプレート量は多くなる。効率的な異種多面付(ギャンギング)で、価格や納期の顧客メリットを追求するために小ロット・多品種商品を集めると、さらに顧客メリットが高まり、受注が増えるというサイクルが印刷通販会社にとって一つのビジネスモデルになっている。
「こがわオンライン」トップページ
利潤の追求と顧客の創出を目指す企業体としての側面の一方、同社は雇用を維持するという地域経済を支える役割を担う。従業員が安心して業務に従事できるよう働きやすい職場環境づくりを推進しており、働き方改革関連法に順守した時間外労働の短縮もその一環となっている。
一方、働き方改革関連法は、従業員にとって生活費となっている残業代の削減につながる。同社でも従業員からそうした声が寄せられている。時間外労働時間の圧縮と従業員の健全な生活を両立するためには1人当たりの生産性向上がかかせない。アグフアのエキスパート・ローダーの導入はその一環だった。
同社の製版部門は女性社員が多く所属している。このため、CTP出力機へのプレートの装填は女性社員数名で担っていた。同社の三上賢治会長は「腱鞘炎になってしまわないか心配していました。社員からも改善の声が寄せられていました」と述べる。
プレートは通常、1ロット50版ほどが梱包されて納品される。このため、プレートに装填する際には梱包を外し、ワンプをむく作業が伴う。使用するプレート量が多ければ多いほどその作業を繰り返す必要がある。梱包材を廃棄する手間もかかり、プレート出力の周辺作業は少なくない。
エキスパート・ローダーは1200枚積みのパレットからプレートをセットすることができる。パレットはハンドリフトで移動することができるため、重いプレートを持ち上げる作業が伴わない。レーザーガイドに合わせてパレットの位置を決めるだけで、非力でも1人で問題なくプレート装填作業が完了する。
エキスパート・ローダー
一気に2台導入
アグフアから紹介されたエキスパート・ローダーは、すでに具体的な効果が各方面のユーザーから報告されていた。同社では社員の負担が減らせると同時に、プレートの消費量から生産性向上につながると判断。昨年5月にアグフアのCTP出力機『アバロン』2台にそれぞれエキスパート・ローダーを連結して運用を開始した。
同社では1日当たり平均100版のプレートを使用。装填作業は1日4~5回に及ぶ。繁忙期は作業が増えて重労働となっていた。エキスパート・ローダー導入後、装填作業は1~2週間に1回程度に削減された。
「注意深く作業していても、装填時にどうしてもプレートの表面に傷がついてしまうことがありました。エキスパート・ローダーでは装填時の傷に伴うプレートのロスが発生することが全くありません」(三上会長)。梱包材やワンプを外し、重量のあるプレートを装填する時間と労働力のコストに加え、プレートをロスするコストも圧縮された。
三上会長は「意欲のある社員に労働時間の削減を強いるのは心が痛みますが、遵法は企業にとって義務です。社員の気持ちに報いるためにも、さらなる生産性向上は欠かせません。エキスパート・ローダーは当社の方針に合致したシステムです」と評価している。